家を建てる際、「長期優良住宅」の認定を受けるかどうかを選ぶことができます。「長期優良住宅」は、その名の通り「長期間にわたって住み続けられる」と、国が定めた法律により認められた家を指します。

こちらの記事では、「長期優良住宅」の概要、認定を受けるための基準と手続き、そのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。新築住宅の購入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

長期優良住宅とは何か?

2009年に施行された「長期優良住宅」とは、国が定めた「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の基準を満たした物件を指します。近年では、年間約10万戸が認定を受けており、年々実績を上げている制度です。

長期優良住宅制度の概要・目的

長期優良住宅は、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備に講じられた優良な住宅」を指します。

平成21年6月4日にスタートしたこの認定制度は、作っては壊す「スクラップ&ビルド型社会」から、“いいものを作って、きちんと手入れをして、長く大切に使う”「ストック型の社会」への転換を目的に定められたものです。

この制度の背景には、少子高齢化問題や環境問題があります。それらに配慮した質の高い住宅を次世代へ受け継ぐために、今のうちから良質な住宅のストックを作り、長期使用を促進する動きが求められているのです。

長期優良住宅の対象となる認定基準・内容(新築戸建)

長期優良住宅

本パートでは、新築一戸建てに関する7つの認定基準とその内容を紹介します。

  • 劣化対策

    数世代、少なくとも100年にわたって、住宅の構造躯体(建築構造を支える骨組みである、基礎や基礎ぐい、柱、壁、小屋組などのこと)を継続使用できるように措置が取られていること。

  • 耐震性

    数百年に一度の規模の地震に対して、住宅の損害を抑える措置が取られていること。

  • 維持管理、更新の容易性

    構造躯体よりも耐用年数が短い設備・内装(給排水管など)の維持管理の負担を減らすために、点検・補修・更新をしやすくしていること。

  • 省エネルギー性

    断熱性能など、必要な省エネルギー性能を備えていること。

    ※省エネルギー判断基準(平成11年相当)に適合

  • 居住環境

    地域の街並みと調和した景観であること

  • 住戸面積

    良好な居住水準の確保に必要な規模を用意していること。

    ※戸建て:75平米以上

    ※共同住宅:55平米以上

    ※少なくとも、1つの階は40平米以上(階段部分は除く)

長期優良住宅の認定を受けるメリット

長期優良住宅の認定を受けると、税金や保険料の軽減など、金銭的な面でメリットを得ることができます。ここでは、複数あるメリットの中から、主に4つのポイントにスポットを当ててご紹介します。

住宅ローンの優遇措置を受けられる

住宅ローンを利用して家を新築した場合、年末のローン残高の0.7%が所得税から控除されます。期間は原則13年。対象となる長期優良住宅の住宅ローン限度額は5,000万円です。一般的な住宅(省エネ基準適合住宅など)の限度額である4,000万円に比べると、だいぶ優遇されているのがわかります。

住宅ローン控除を受けられるのは、所得2,000万円以下の人が対象となります。適切に申請をしないと、優遇措置は受けられないため注意が必要です。

固定資産税が5年間安くなる

固定資産税とは、土地や住宅の所有者に支払い義務のある税金のことです。家を新築した際には、固定資産税額が1/2になる減税措置を受けられます。一般住宅はこの措置の期間が3年間なのに対し、長期優良住宅は5年間と2年長いことが特徴です。

ただし、認定を受けるためには住宅の床面積などに規定があり、市町村によって異なるため事前の下調べが必要です。なお、5年を過ぎると固定資産税は規定の税額に戻ります。

登録免許税が軽減される

登録免許税とは、住宅を購入した人が土地や建物の所有権を登記する際に必要な税金のことです。戸建ての保存登記の税率は一般住宅の場合0.15%ですが、長期優良住宅の場合は0.1%に引き下げられます。

注意したいのは、住宅の新築または取得から1年以内に登記の必要があることと、各市町村から発行される証明書が必須であること。

証明書は事前の手配が必要なため、スケジュールをきちんと把握し、適切に申請を進めることが大切です。

地震保険料が割引される

長期優良住宅の認定基準には、耐震性に関する項目があり、各保険会社に所定の書類を提出することで、地震保険料の割引が適用されます。

地震保険は、国と長期優良住宅の基準である「耐震等級2」の割引率が20%、「耐震等級3」の割引率が50%と、耐震等級によって異なります。政府と民間企業で運営しており、火災保険とセットで加入が必要です。

保険金は、対象の建物や家財が受ける損害の程度によって支払われる金額が異なります。

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅の認定を受けることで、金銭的なメリットを得られるとわかりました。続いて、認定を受ける際のデメリットについて触れていきます。時間や手間・コスト面のデメリットをしっかり理解したうえで申請を検討しましょう。

申請に時間や手間がかかる

長期優良住宅の認定申請は、着工前に行う必要があります。申請にあたっては「長期優良住宅建築等計画」を作成し、施工予定の市町村への提出が必須。いつから申請に向けて動き始めるべきか、何年有効なのかなど事前の下調べやスケジュールの調整が重要です。

必要なものは、設計内容説明書や各種図面・計算書といった専門的な書類が多く、基本的にはハウスメーカーの助けを得ながら用意します。

審査依頼後に技術審査が行われ、適合証を受け取ったのちに申請・認定と、手間も時間も掛かるでしょう。

住宅にかかる費用が高くなる

審査を受けるための技術審査や認定手数料の目安は、約5〜6万円と言われています。各自治体によって金額は異なるため、事前の下調べをお忘れなく。

ハウスメーカーや工務店に書類準備の代行を依頼した場合には、20万円以上の手数料がかかることも。審査費用も各項目によって異なり、認定を受けるための総額は約50~80万円程度と想定しておきましょう。

また家が完成した後、10年以内ごとに住宅の点検や修繕などを行い、それらの記録を30年にわたって作成・保存しておく必要があります。

長期優良住宅の申請は必須ではない

長期優良住宅の認定は、厳しい基準を満たしていることを証明でき、住まう人の安心につながります。しかし、ここで気になるのは「認定されていない住宅は安全性・快適性ともに問題はないのか?」という点です。

結論から言うと、長期優良住宅の認定を取得していない一般住宅でも、安全性・快適性の問題はありません。近年は、各ハウスメーカー独自で高品質維持のための基準を設けるなど、家づくりに関して高い水準が求められる傾向にあります。住宅が完成した後のメンテナンスも重要で、細やかなアフターフォローも欠かせません。

信頼できるハウスメーカーと長く良好な関係を築くことにより、快適で安全な住宅を維持できます。

長期優良住宅の申請はぜひ一度ご相談ください

最後に、長期優良住宅について、ここまでの内容を簡単にまとめます。

  • 長期優良住宅は、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備に講じられた優良な住宅」のこと。
  • 認定されると、税金や保険料の優遇措置を受けることができる。
  • コストや時間、手間などデメリットも検討の判断材料に。
  • 認定を受けてない住宅でも、安全性・快適性の問題があるわけではない。

長期優良住宅の認定取得までに掛かる手間や時間・コストに対し、住宅ローンや各税金の減税など優遇措置の恩恵がどれほどあるのか?メリットはもちろんのこと、デメリットも判断材料にして、認定を受けるべきかを検討しましょう。

長期優良住宅の認定を視野に入れている方、どうすべきか迷われている方は、ぜひお気軽に静鉄ホームズまでご相談ください。お客様のご希望や迷われている点をお伝えいただければ、弊社スタッフが親身に対応させていただきます。